個人事業主・フリーランスの方向けにいくつか記事を書いてきましたが、今回は開業したら必ず保存・保管しておきたい書類や資料について、なぜ、保管しておかないといけないのか理由も併せて説明します。
開業届
保管しておきたい1つ目の書類は
「開業届」
です。
開業届はその名の通り、いつ事業を開始したのかを確認するために必要な書類になります。
この書類に記載した開業日はその後、決算書や確定申告書に記載していくことになりますので、この書類が無いと事業を開始した日(開業日)がわからなくなります。
この書類がないからといって罰金などのペナルティがあるわけではありませんが、確定申告書等の作成する時に困りますので必ず保管しておきましょう。
開業届に関する詳しい記事はこちら↓
2020.10.31
フリーランス・個人事業主が開業したらやっておくこと① 開業届の提出
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青色申告承認申請書
保管しておきたい書類の2つ目は
「青色申告承認申請書」
です。
この書類に関しては「いつの年度」から青色申告をすることができるのか、そもそも「青色申告なのか」それとも「白色申告なのか」を確認するために必要な書類になります。
青色申告承認申請書を自分で税務署に提出している記憶があれば、自分が青色申告なのかどうかはわかると思いますが、税理士事務所などの「外部機関・第三者」に対して確かに自分が青色申告の対象かどうかを証明するためには必要な書類になります。
もし、紛失してしまっても税務署に問い合わせると自分が青色申告なのかどうかを確認することができますので神経質になる必要はありませんが、問い合わせをすること自体が手間になりますので、書類を保管するようにしておきましょう。
青色申告承認申請書に関する詳しい記事はこちら↓
2021.09.07
フリーランス・個人事業主が開業したらやっておくこと② 青色申告承認申請書の提出
フリーランス・個人事業主の方が開業したらやっておくこととして前回は「開業届」の提出について紹介しました。 前回の記事はこちら 今回はフリーランス・個人事業主の方が青色申告をするための必須の手続き 「青色申告の承認申請書」の提出について紹介します。 なぜ青色申告をするのか? 青色申...
銀行などの借入金の返済予定表
開業時に十分な資金を確保した状態で事業をスタートすることはなかなか難しいので、大半の方は事業を開始するにあたって金融機関などから借入を行うと思います。
金融機関から借入をおこなったら必ず保管しておきたい資料としては
「借入金の返済予定表」
です。
この返済予定表には
- いつ融資が実行されたのか
- 送金時にかかった印紙代や振込手数料はあるのかないのか
- 借入金の利率はどれくらいか
- 返済1回につき、いくらの元本を返済するか
- 返済1回につき、いくらの利息を支払うか
- 返済期間は何年(何か月)か
- いつから返済が始まるか
などさまざまな情報が記載されており、経理をする上で非常に重要な資料になります。
無くさないように保管しておきましょう。
また、その後、【借り換え】をした場合にもこれらの書類は破棄せずに保管しておきましょう。
「借り換えをする前」と「借り換えをした後」の取引やお金の流れを把握するために必要になります。
借り入れの申し込みをするまでは事業の計画を金融機関に熱心に説明したり、金融機関の要求に対して一生懸命に対応するのですが、いざ借入の申し込みがうまくいって、銀行口座に借入金が入金されると少し安心してしまって、借り入れに関する資料の管理がおろそかになりがちです。
なお、日本政策金融公庫に関してはもし返済予定表を紛失してしまった場合には再発行が可能ですので慌てずに対処しましょう。
再発行の方法は以前記事にしていますのでこちらをご参考ください↓
日本政策金融公庫の返済予定表の再発行の具体的な方法 日本政策金融公庫の返済予定表(正式な名前を「お支払額明細書」というようです)が手元にない場合、無くしてしまった場合には再発行が可能です。 この記事では再発行の具体的な方法を紹介します。 まずは日本政策公庫のHPに進みます。 ...
事務所・自宅の賃貸借契約書
保管しておきたい4つ目の資料は事務所や自宅の
「賃貸借契約書」
になります。
自宅を事務所として兼用する場合には家賃の金額の確認に必要になります。
また、事務所を賃貸する場合には契約時に
- 敷金
- 礼金
- 契約時の火災保険
- 鍵の交換費用
- 日割りの家賃
- 口座引落の期日
などの経理に必要なさまざまな情報が記載されています。
これらの取引はその明細が記載された書面がないと内容を把握することが難しいものになります。
必ず保管しておきましょう。
書類の具体的な保存方法とお勧めの保存方法
ここまでに紹介してきた経理に必要な重要資料・書類ですが、紙媒体で交付されることがほとんどだと思います。
そして紙媒体の場合にはファイル等して自宅や事務所などに保管すると思います。
そうすると、これらの書類の内容を確認するためにはその都度、自宅や事務所のファイルを見に行かないといけなくなります。
見たいと思ったときに内容を確認することができないのは効率が悪いので、今回紹介した資料に関してはデータ化をしておき、スマートフォンやパソコン上でいつでも確認ができる状態にしておくことをお勧めします。
具体的には、借入金の返済予定表などの契約書に関してはスマートフォンで写真を撮っておいてもよいですし、スキャナーがあるのであればそれでスキャンしておきPDFデータなどにしておくとよいと思います。
データに変換したら、そのままスマートフォン内に保存してもよいですし、クラウドサービスに保管しておいてもよいです。
クラウドサービスですが、dropbox(ドロップボックス)やevernote(エバーノート)、onedrive(ワンドライブ)、google drive(グーグルドライブ)、notion(ノーション)等々、無料で利用できるものがいくつかありますので、自分の好みの管理方法を選択してもらえばよいです。
ポイントはいつでも書類の内容を確認できる状態にしておくことです。
まとめ
個人事業主・フリーランスの方が開業したら必ず保存・保管しておきたい資料・書類を説明しました。
開業すると、仕事の方にどうしても集中してしまいます。それ自体は全く悪いことではありませんが、今回紹介した経理に必要な書類の管理がおろそかになりがちです。
また、今回紹介した書類は紛失すると再発行等に時間がかかるものですので、無くさずにいつでもすぐに書類の内容を確認できる状態にしておきましょう。
税務記事以外のことを個人ブログ(別サイト)で書いています。
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